1.新入社員に目的を意識させる
研修の担当者は狙いを持って講義をしているつもりでも、肝心の新入社員が「この研修には何の意味があるんだろう」と疑問に感じているケースもあります。
そのため、研修を受ける新入社員たちに、あらかじめ研修の目的とゴールを伝えておくことが大切です。
「この研修ではこのような能力が身につく」と分かれば、新入社員も高いモチベーションを持って研修に参加してくれますし、習熟度もより深いものになるでしょう。
2.手法をバランス良く組み合わせる
研修の内容は、新入社員が意欲的に参加できるように組み合わせるべきです。
例えば、座学が1日中続いてしまうと、せっかくの大事な内容でも新入社員の集中が切れてしまうでしょう。
だからこそ「座学の後にはワークショップを入れる」「座学で学んだことを活かせるように、ロールプレイングをセットで行う」といった工夫が大切です。
手法をバランス良く組み合わせることで、研修にもメリハリが出て、参加者の意欲を維持できます。
3.現場との協力関係を大切にする
研修で教えた内容が新入社員の中で深く定着するかどうかは、現場でのOJTにもかかっています。
例えば、OJT担当が新入社員に対して「ここは研修の○○という講義で習った箇所だよね?」という風に、都度確認を入れるようにします。そうすれば、新入社員も自分の中で振り返りの時間を設けることができるでしょう。
このように研修担当と現場の社員が連携して、相乗効果を生み出せるような教育体制を築くことが大切です。
結果として、現場に配属されたあとのミスマッチも減り、新入社員の早期離職を防ぐことにもつながります。
4.時流を考えた内容にする
先行き不透明な時代だからこそ、世の中の動きに合わせて企業の経営方針も大きく変動します。
当然ながら、それに伴って社員が身につけておくべき能力も変わってくるものです。
そのため、新入社員研修も毎年同じ内容ではなく、時流を捉えたカリキュラムに変更すべきです。
企業調査でも、自社の研修に満足できない理由として「内容が古くさい」「世の中の風潮に合っていない」と答える声が多くありました。
つまり、時流に合わせた研修内容にすることで、新入社員のモチベーションを上げることにもつながるでしょう。
5.リモートの際は「集中力」を持続させる仕組みをつくる
在宅勤務を導入している企業では、新入社員研修をフルリモートで行うこともあるでしょう。
その際には、受講者の集中力が続くような時間配分・カリキュラムにすることが大切です。
というのも、在宅勤務では受講者の周囲に誰もいない状態なので、緊張感を持って研修に臨んでもらえないことがあります。
具体的な解決策としては「1コマの研修を90分ではなく、60分に短縮する」といった時間配分の工夫が有効です。時間が限られているほうが、受講者の集中力も高めやすいでしょう。
また「少人数でのワークショップをこまめに取り入れる」ことも効果的です。
どうしてもリモート研修では、講義を聴くだけの"インプット"中心になりがちです。そのため、受講者が自分の意見を発信できる"アウトプット型"のカリキュラムを取り入れることで、より参加意識を醸成できます。
Web会議システムの仕様上、大人数では会話しづらくなるので、少人数での発表会やワークショップを取り入れるというのがポイントです。リモート研修の内容や仕組み次第で、新入社員の早期離職を防ぐことにもつながるでしょう。
6.外部の研修も利用する
カリキュラムすべてを、自社だけで完結させるのはなかなか難しいものです。
事業内容や理念については自社の社員でも教えられますが、ビジネスマナーや社会人としてのマインドセットは、外部のプロ講師の方がより豊富なノウハウを持っています。
だからこそ、自社で網羅できない内容については、積極的に外部の研修サービスを活用するのが効果的です。その方がより充実した研修内容になり、新入社員の満足度も高められるでしょう。